アトリエヌウSDGsに積極的に取り組む
豊岡発のファクトリーブランド
カバンの街、兵庫県豊岡で誕生したアトリエヌウ。
ブランド名はアトリエ=工房、ヌウ=縫うを組み合わせた造語で、世界的にも数少ないレディスのファクトリーブランドでもある。その母体となっているのは、国内外のトップブランドの鞄のOEM・ODM製造を手がけている鞄メーカー。豊岡で一番規模が大きいメーカーでもあり、京都やベトナム・ダナンにも自社工場を構えている。ブランドとしてのデビューは2015年だが、もともとは工房を併設したショップだった。豊岡は鞄をつくる産地であるものの、昔は実際に買えるところがなかったという。地元でもその場所を提供するべく、2008年にショップをオープンしたのだ。もちろん現在もショップとしてのアトリエヌウは、街の象徴でもあるカバンストリートに健在。そしてブランドとして本格的にスタートしてからは、豊岡鞄認定のバッグや財布などのレザーグッズを製作している。ブランドコンセプトは「シック&ナチュラル-素材に普遍美を-」。時代を超えて愛される普遍的なデザインや素材をベースに、使う人のライフスタイルに優しく寄り添うブランドを目指している。
アトリエヌウのラインナップでひと際目を引くのは、口枠のデザイン。これは「パーセル」シリーズのモデルで、その形状がアメリカのダレスバッグと似ていることから「ダレス」と名づけられている。ガマ口のように開口部が広く開くので使い勝手がよく、どこかレトロでクラシックな雰囲気を醸し出す。レザーの重厚な風合いとも絶妙にマッチし、その佇まいが今の時代に新鮮に映る。そもそも豊岡ではダレスバッグを昔からつくっているという歴史があり、その口枠を専門につくる業者も多く存在する。だからこそ口枠のクオリティも高く、そういったパーツを地場で調達できることも、豊岡発祥ブランドの強みでもあるのだ。ちなみに「パーセル」はブランドの代名詞的なモデル。サイズやカラー、素材のバリエーションも豊富に展開しており、幅広い世代から支持される人気のデザインだ。
2年ほど前からサステナブルなモノづくりにも力を入れており、アトリエヌウではSDGs宣言書も取得。2025年までに使用する素材は、すべて環境負荷が低い素材で統一することを目標に掲げている。そのひとつが、サステナブルレザー「レッザボタニカビーノ」を使ったコレクションだ。このレザーはワインの搾りかすでなめしや染色をおこなっているのが特徴で、ワインポマース(搾りかす)に含まれるポリフェノールによって力強さとしなやかを備えたレザーに仕上がる。赤ワインを思わせる深みのある色も魅力的で、この独特な美しい発色に惚れて購入する女性も多いという。そのほかには、バッグをつくる際にどうしても出てしまうレザーの廃材を再利用した「ハザイ」シリーズ、豊岡鞄として取り組んでいる廃棄漁網由来の再生原料を採用した「フォーザブルー」シリーズも展開している。
いくら素材にこだわっていても、消費者に手に取ってもらわないと本当のサステナブルにはならない。そのためには新商品を頻繁に生み出すサイクルではなく、トレンドに左右されない普遍的なデザインをつくること、ベストな数量を売り切っていくというビジネス的なエコの観点も大切。さらにファクトリーブランドの強みを活かし、修理をはじめとする購入後のフォローアップもしっかりおこなっている。これから日本も環境や人、社会に配慮したエシカル消費が主流になるだろう。そんな時代にアトリエヌウのサステナブルなモノづくりは、鞄業界の未来までも明るく照らすはずだ。
クラシカルなデザインに
サステナブルレザーが好マッチ
ダレスバッグのレトロな雰囲気はそのままに、女性でも取り入れやすいコンパクトなサイズに仕上げたミニダレス。開口部にはアルミフレームが入っており、ワンタッチで口枠が大きく開いて出し入れがしやすいという現代的な構造を採用しているのがポイントだ。コンパクトなサイズ感ながらも収納力も高く、A5の手帳や500mlのペットボトルなどもすっきり収まる。そしてなにより、ワインの搾りかすで染めた「レッザボタニカビーノ」の美しい発色が、唯一無二の存在感を放ってくれる。取り外し可能なショルダーストラップ付きで、2通りの持ち方が楽しめるのも優秀。
Atelier nuu parcel Lezza botanica vino ミニダレス
- 素材
- 牛革
- 価格(税込)
- ¥39,600