牛革だけが革じゃない<br>皮革見本帖

皮革見本帖牛革だけが革じゃない
皮革見本帖

生き物の数だけ革がある!
ここではメジャーな素材から珍しいものまで、「原型」で革を紹介。
見ているだけで想像力と、物欲が刺激されるはず!

2009年発行 「日本の革 2号」より

Cordovan

【ウマ】かなり大きな馬のお尻部分

「メガネ」とも呼ばれるコードバンは、丈夫でしなやかな素材と、美しい光沢で知られる。男性用小物、バッグや高級ランドセルとして、加工される。使ううちに光沢が増すのも魅力。

Elephant

【ゾウ】モコモコした肌触りとナチュラルな風合い

写真は鼻部分の革。スポンジのように弾力性があり、独自のシワとモコモコした肌触りが特徴。原産国や加工工程に輸入制限がある。バッグなど堅牢さが求められるアイテムに適す。

Goat

【ヤギ】なめらかにまとう至福の肌感

その柔らかさにうっとりしてしまうゴート(山羊)の革。美しく丈夫で肌になめらかになじみ、キレイなドレープを生む。ドレスやジャケット、手袋などに使われることが多い。

Crocodile

【ワニ】メノウで磨いた美しい光沢

これは、ワニの腹部分。この独自のミステリアスな光沢はメノウの珠で磨いて作られる。背部分は、デニムパンツのパッチ部分や、バッグやサイフのポイントとして使われる。

Snake

【ヘビ】体長4メートル以上のニシキヘビ

ヘビは種類によって模様やウロコの形が異なる素材。これは一般的なニシキヘビで、なんと体長は4メートル以上。このくらい大きいサイズの革だと、バッグなどにも使われる。

Eel

【ウナギ】シープスキンのようなやわらかさ

ウナギ(イール)も革に加工される。1匹1匹が小さいため、小さい革をバランスよく縫い合わせているのが特徴。この加工は韓国で行われており、精緻な技術に目を見張る。

Ostrich

【ダチョウ】羽毛を抜いた後のクイルマークが特徴

独特の突起は「クイルマーク」と呼ばれている。牛革の数倍丈夫と言われるオーストリッチ革は、軽くてしなやか。また、世界の生産の約80%は野生ではなく、飼育された南アフリカ産。

Unborn Calf

【ハラコ】生まれる前の牛の子ども

死産になってしまった子牛の皮を加工したものがハラコだ。柔らかく細かい毛が密集していて、靴やバッグなどだけでなく、クッションカバーや敷物としても使われている。

Stingray

【エイ】硬質な楕円模様がシャープな印象

スティングレイと呼ばれるエイ革。日本では古くから日本刀の鞆や柄などにも使用されてきた。カルシウム質に覆われた硬い皮と模様が特徴で、加工には特別なカッターが必要。